タイトルや目次からは、野外での排泄のハウツーもののように見えるが、訳者はこう書いている。
「キャサリンの訴えたいことは、決して野外ウンコのテクニックではない。環境というものがどうにもならないところまで悪化しているんだということを、彼女はウンコというインパクトの強いものを通して訴えている。」
実際、本書のあちこちで、ドキッとする言葉に出会う。
「人間の大便は消滅するのに一年以上かかることもある。」
「やせた表土だとバクテリアの活動が期待できないので、埋めたものはほとんど永久に分解しないということも考えられる。」
「埋葬地を選ぶにあたっていちばん先に考えなければならないのは、便がどんな水の影響も受けないようにすることだ。-(略)-場合によっては数キロメートルにわたって氾濫することがある。-(略)-その流れに乗って大量の堆積物が移動する。」
「わたしたちに必要なのは、自分のウンコを持ち帰ることが、ゴミを持ち帰るのと同じように、ごく当たり前のことだという認識を養うことだ。しっかりと安全に処理すれば臭いが洩れることもないのだから、自分の大腸からビニール袋に移動した程度のことじゃないかという発想の転換をしてほしい。」
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