携帯トイレに関するアンケート収集(1日目)
12月7日午前9時過ぎに福岡市・天神を出発し、11時過ぎに牧ノ戸峠に到着。
車内で昼食をとりながら現地集合の参加者の到着を待っているうちに、「明日は悪天候の予報で登山者が少ないかもしれないから、今日から携帯トイレに関するアンケートを行おう」ということになり、急いで準備。一般参加の人にもお手伝いしてもらい、昨年に続き株式会社総合サービスから無償提供いただいた200個の携帯トイレやチラシを配布しやすいようにセットし、黒岩山トレッキングに参加しない人たちが、啓発活動(携帯トイレ配布、説明、アンケート)をしました。

黒岩山トレッキング(1日目)
そうこうしているうちに現地集合の人も次々に到着し、アンケート収集班4人を残し、11人で予定通り午後1時に黒岩山に向けて出発。

途中、霜柱や三俣山・星生山の雪景色に歓声をあげつつ、40分で黒岩山山頂到着。参加者の半数が、山岳会のリーダーや登山ガイド有資格者だったので安心でしたし(翌日は降雪・強風の予報ですが、“撤退するか否か”の判断を含め、安全な山行ができそうです)、遠くに見える山の名前を教えてもらったり、三角点に関するお話を伺ったりしました。
20分程山頂で過ごした後、下山開始。午後2時30分過ぎに牧ノ戸峠に到着し、1日目のトレッキングを終了しました。



意見交換会(1日目夜)
法華院温泉高原テラスにチェックインし、翌日の啓発活動の準備後、午後6時に談話室に集まり、「意見交換会」を開始。ここからの参加者4人を含め、計19人での開会です。
まず、大分県竹田市産業建設課の岩本哲尚さんより、①久住分かれのバイオトイレ、②オーバーユース対策、③登山道整備の3点についてお話がありました。(以下、要旨)
①久住分かれのバイオトイレ
・委託業者により、月1回以上は清掃が入っている
・大分県主催で、毎年「山のトイレをキレイに使い隊運動」が行われており、今年も11月6日に第8回が実施された(←当協議会からも3人が参加しました)
②オーバーユース対策
・登山者のマイカーの路上駐車対策として、ミヤマキリシマと紅葉のシーズンに、「くじゅうの登山口をつなぐバス」が運航されている
・登山の集中緩和のために、これまで6月第1週だった「山開き」が、今年から4月下旬に繰り上げられた
③登山道整備
・土壌流出や登山者の踏圧による裸地化で荒廃が進む登山道を、「近自然工法」で整備する取り組みを始めている
・ガバメントクラウドファンディング(政府や自治体が行う寄付制度)も視野に入れ、積極的に取り組んでいきたい
次に、「九重の自然を守る会」理事長の高橋裕二郎さんより、会の活動についてお話しいただきました。(以下、要旨)
・会が発足して62年になる
・今年11月3~10日、川端康成文学碑建立50周年記念として、九重文化センターにて、「画家 高田力蔵と文豪 川端康成、そして九重」と題した特別展を行った
・環境整備活動として、毎年山開き前日に坊ガツルのトイレ清掃を行ったり、登山道整備のための「一人一石運動」の石の補充を行ったりしている
・それぞれ実行委員会を組織し、飯田高原の野焼き(600~650ha)、坊ガツルの野焼きを毎年行っている
続いて、当協議会前運営委員長の貞苅誠さんから、久住分かれの携帯トイレブース設置の経緯が説明されました。(以下、要旨)
・きっかけは、久住分かれのバイオトイレ周辺のゴミの散乱、排泄跡、そして地元の人に「この半分は福岡県民によるものだよ」と言われたことだった
・2016~17年に「久住分かれトイレ視察山行」を計3回、2018年に「高千穂峰携帯トイレ視察山行」を行った
・2019年に、法華院温泉山荘の弘蔵岳久さんと意見交換を行い、11月に署名活動を行った
・2020年2月21日に、集まった署名5490筆を、大分県に提出した
最後に、当協議会運営委員の久保田由紀子さんから、市販されている各種携帯トイレの特徴の発表がありました。コンパクトで携行性がいい=座面にしっかり固定できない、吸収する水分量が多くて安心=大きくて重い等、長所と短所が表裏一体で、どのような山行なのか、回収ボックスはあるのか等、使用環境で取捨選択する必要がありそうです。
その後、質疑応答を経て、午後7時からは場所を同ホテルのレストランに移し、夕食をとりながらの意見交換会&親睦会となりました。

牧ノ戸峠登山口での啓発活動(2日目)
翌8日朝、外は真っ白。朝食後、防寒対策をしっかりして牧ノ戸峠へ。今日も、啓発活動と清掃登山の2班に分かれて活動します。まずは全員で、気合いを入れて写真撮影。

啓発活動班5人は、清掃登山班が8時過ぎに出発した後、登山口脇の小屋の中にテーブルを設置(事前に許可をとりました)し、登山者に携帯トイレを配布して使い方を説明しつつ、アンケートを収集しました。悪天候にも関わらず(いや、悪天候だったから?)、登山者が予想以上に多く、前日回収分と合わせて154人分のアンケートが集まりました。ご協力くださった方、ありがとうございます。集計結果は、後日当サイト内で報告いたします。アンケート回収後、登山口周辺のゴミ拾いをしましたが、雪で覆われてあまり見つけられず、11時に撤収。

清掃登山(2日目)
清掃登山班(沓掛山までで下山・中途合流含め16人)は、低体温の要因となる汗をかかないよう、こまめに衣服を調整しつつ、ゆっくりのペースで登っていきます。ザックの中には、ペットボトルに入れた掃除用の水が入っています。顔が痛いくらいの寒さ(復路の沓掛山の寒暖計で氷点下6度)でしたが、思いがけず見られることになった雪景色を楽しみながら歩を進めます。登山道周辺のゴミ拾いも計画していましたが、雪のためか目につくゴミがなく、まっすぐ久住分かれに向かいました。




久住分かれの携帯トイレブース掃除・周辺のゴミ拾い(2日目)
10時10分過ぎに久住分かれに到着。早速、背負ってきた水を出し、バーナーでお湯を沸かし始めます。ひと休みした後、周辺のゴミ拾い組とトイレ掃除組に分かれて活動開始。
前日に別の団体が清掃登山に入ったらしく、また雪で覆われていることもあり、見渡してもゴミが目につきません。それでも「1つでも拾って帰ろう」と、強風の中、“ゴミ探し”をしましたが、昨年の回収したゴミ6袋分に対し、今年は、袋半分だけという結果でした。
一方トイレ掃除組は、沸かしたお湯で、トイレブースの壁や座面を丁寧に拭き、少し汚れていたネットも洗いました。




ツェルトでのビバーク体験(2日目)
昼食後、「この寒さと強風は、体験するのにもってこい」と、リーダーによる「ツェルトでのビバーク体験」が行われました。吹き飛ばされそうになるツェルトを足で押さえつけたリーダーに促され、ツェルトの中に潜り込んでいきます。風にあおられバタバタいうツェルトの中で、それぞれのザックの上に2人ずつ向かい合わせに座った4人は、こんなに薄い布でも、風がよけられるだけでこんなに暖かいのだと、装備の大切さを実感しました。
最後に皆で「頑張ったぞー」のポーズで写真撮影をし、11時20分下山開始。12時50分に牧ノ戸峠に到着。2日間の活動を終えました。

