携帯トイレ比較実験

実施日:2025年5月10日

投稿者:会員A

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 6月28・29日に開催される「第8回夏山フェスタ in 福岡」で、当協議会も、「あなたならどうする?山でトイレに行きたくなったら」と題して、セミナーを開くこととなり、その資料作成のために、各種携帯トイレの比較実験を行いました。会員Aも、先日の扇山登山で3種類の携帯トイレを使ってみて、製品の優劣というより、トイレブースの有無、荷物の多少、日帰りなのかどうかなどで、その山行に適する携帯トイレが異なってくると感じたので、選択するのに役立つ一覧表を作りたいと思い、実験に参加しました。

 まず、実験参加者で手分けして、携帯トイレを買い集めます。そこでわかったのが、「意外と売っていない」ということ。最近防災用品としてもよく紹介されているので、どこのホームセンターでも購入できると思っていましたが、なかなか見つからない。やはり一番多く取り揃えてあったのは、大手登山ショップでした。

 結果的に20種類ほどの商品が揃い、いよいよ実験開始です。調べる項目は、「登山者が望む携帯トイレとは?」という視点で設定しました。使用前後の大きさや重さ、使いやすさを左右するであろう袋の受け口の大きさ、持ち帰り用袋の有無や厚みなど。凝固能力については、衣服を整える間(15秒と想定)に固まるかを見るために、水を注いでから15秒後に状態を確認し、更に、宿泊を伴う山行において、1個の携帯トイレを複数回使用できるかを知りたかったので、1回目の凝固テストをした後、5時間後に2回目を、更に24時間後に3回目を行いました。

 結果としては、多少の時間差や固さに違いはあるものの、凝固能力自体にはあまり差異はなく、排せつ物を入れる袋の素材や大きさ、持ち帰り用の袋の有無、その厚みや密閉できるかどうかといった点に各商品の特徴が現れていました。登山者の場合は、ザックに入れて(提げて)自宅まで持ち帰ることを考えれば、チャック付きの厚手の消臭袋は必須でしょうし、藪の中で使うことを考慮すると、排せつ物を入れる袋もある程度丈夫でないとならないでしょう。携帯トイレブースで使うなら、便器に被せられるくらい広がる袋でないとなりません。当然と言えば当然ですが、使用時や持ち帰り時が安心なものほど、大きく重くなるわけで、そのあたりのバランスの取り方は、その時に背負う荷物の量、ルートの厳しさ、各人の体力によって異なってきそうです。また、持ち帰り用の消臭袋は、ネットショップなどで別途購入することもできます。そう考えると、日帰り山行の場合は、比較的安価な小便用のを使うことも検討の余地がありそうです。万が一、お腹の調子が悪くなった時のために大小兼用のものも持って行った方がいいと思うので、かえって面倒かもしれませんが…。

 セミナーにお越しいただいた方には、実験結果をまとめた資料をお渡しします。今回共同出展となった㈱総合サービスから提供いただいた携帯トイレ「サニタクリーン」もお配りしますので、是非、聴きにいらしてください。お待ちしています。

■開催日時:6月28日(土)16時30分~17時30分

■会場:電気ビル共創館 3階C会議室

■受講料:無料