久住分かれトイレ視察山行①

実施日:2016年10月27日

投稿者:管理者

参加者:会員18名
久住分かれトイレ前で、中村仁氏(環境省くじゅう自然保護官)、尾登憲治氏(竹田市職員、映像製作者)を交えい、同トイレ及び周辺環境について意見交換会を行いました。
▼▼中村仁氏(環境省くじゅう自然保護官)の意見
・環境省のレンジャーとして、全国を2~3年毎に転勤し、活動しています。九重にきて2年になります。利尻に3年間勤務していて、ちょうど携帯トイレの普及を始めたころでした。携帯トイレの利用者は3割ほどいましたが、ブースの使い方がわからず、普通のトイレのようにそこに用を足す人や、携帯トイレをそのままブースに捨てる人がいました。
携帯トイレの普及のためには、ブースや回収ボックスの設置より、まず登山者の意識を変える事が大事です。皆さん、登山のマナーやルールを守っていますか?(登山道の荒廃や植物の保護のためにも、)ストックの先端にゴムキャップをつけて歩いてください。
最近は、山のトイレのレベルが上がって下界と山のトイレのレベルの差が近くなってきています。バイオトイレは年々改良が進んでいますが、山で使用する場合、まだ完全なものはありません。バイオトイレ設置の課題として、気温、電気、そして登山者のマナーがあります。
また、携帯トイレの回収を行うにしても、自治体によりゴミの分別方法が異なっています。使用後の携帯トイレをそのまま捨ててよい所と、携帯トイレの中の糞尿を分別しなければならないところもあります。これは各自治体のゴミ処理施設の性能や規模によって生じるものと考えています。この携帯トイレと中の糞尿を分別する作業は、登山者には大変な心理的負担です。その中で、携帯トイレの普及を図るためには登山者の意識の向上が大切です。
久住分かれのトイレは大分県が設置し、竹田市が管理しています。運営費は大分県と協力金で賄われています。久住分かれのトイレの場合、水がないことが問題です。夏場は天水を使っていますが、トイレに水が流れません。バイオトイレの横に浄化槽がありますが、バイオトイレを使っていても一部は地下に浸透しているのです。
北海道の場合、(山のトイレ問題の解決策として、バイオトイレの設置より)携帯トイレの使用の方に向かっているようです。
▼▼会員から出た意見
・個人的意見として、久住分かれのトイレ問題の解決のためには、携帯トイレを使うのが良いと思います。ブースや回収ボックスを設置していただければ心理的負担も減り、携帯トイレが使いやすくなります。また財政的にも費用がかからないと思います。
・山の日の制定で全国的に(山のトイレマナーを)PRしています。山のトイレ環境については、メディアをとおいて啓発のチャンネルを増やしたら良いと思います。

「トイレ協議会通信 第18号」より