第5回 定期総会

開催日 2013年6月23日(土)
会場 太宰府館「まほろばホール」
太宰府市宰府3-2-3
来場者数 46名
講演 熊谷 信孝氏
「英彦山の自然環境・いまむかし」

議事の概略

6月23日(土)13:30、昨年と同じ、太宰府館3Fの「まほろばホール」で開催され、参加者は非会員も含め46名でした。司会を運営委員の松大路秀一氏が担当。会長の山上氏の挨拶で始まりました。議長を日本山岳会北九州支部の山田武史氏にお願いして議事に入りました。
活動・会計報告及び計画・予算は、運営委員長の太田勝氏より議案書の内容に沿って報告・提案し、了承されました。
質疑応答では、会員減少を危惧して、年会費の検討、会員以外からの寄付・協力金の募集など提案があり、運営委員会で諮ることになりました。
英彦山トイレの今後の活動方針についても、「英彦山トイレ協議会」は7団体が加盟しておりトイレ以外に自然環境まで入り込んだ活動ができかどうか質問があり、トイレが設置された段階で、自然環境も含めて何ができるか考えていくとのことでした。
宝満山キャンプ場のバイオトイレの経過について、西鉄山友会会長豊福利信氏より報告がありました。
「キャンプセンターが設けられてから45周年、バイオトイレが出来て5周年。管理はやはり難しい、経験から水分の管理(分離)が難しいことがわかった。大と小を分離するために便器を大と小に分けたことによって、水分の管理ができるようになった。新しいチップも導入できて、今のところはいい方向に向かっている」とのこと。

「トイレ協議会通信 第11号」より

講演内容

田川郡在住で、英彦山をはじめ福岡県の植物形態・生態についての著書も多数ある、熊谷信孝氏に講演をお願いしました。演題は「英彦山の自然環境・いまむかし」。
氏は、英彦山の自然や植物に魅せられて山を歩いて30数年、1991年秋の2度による超大型台風で壊滅状態になったブナ林の再生に力をそそいでおられます。スライドを使って英彦山の成り立ち、植物群落が説明されました。
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英彦山地は約400年前の火山活動によってできた山で、古くから修験道が栄え、山には神が宿り、神聖な場所として崇められ、手つかずの自然が残ってきた。
ブナ林は台風による被害から再生に向けて活動しているが、ニホンジカの増加により植生は回復していない。ミズナラ林はブナ林の代償植生であるが、鷹ノ巣山一の岳に見られる。県下唯一の美林であるシオジ林は北岳の谷間にあって、原生状態を保っている。
県内で生育地が英彦山地に限られているオオヤマレンゲは名花である。
ブナ林の再生活動報告では、ブナの種子は豊凶作があり、1991年以降少数しかついていなかったが、2006年、2008年には、これまでなく多く付いた。今年は種子がすうねんに一度くらいの豊作である。
ブナの採取について、9月以降に落ちた種子を拾う。遺伝子を守るために、他地域のものは植生しない。
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身近な山の話であることから質問も多く、時間が足りない程でした。
~~熊谷氏からのお願い~~
ブナは、5、6年ごとしか種子をつけないので、豊作の年には精力的に種子を集めてください。ブナは他家受粉でないと充実種子ができないので、孤立木ではなく、何本か実の付いた木のあるところで拾うことをお勧めします。

「トイレ協議会通信 第11号」より