第6回 定期総会

開催日 2014年6月28日(土)
会場 太宰府館「まほろばホール」
太宰府市宰府3-2-3
来場者数 26名
講演 吉田 和彦氏((株)アイテックシステム 代表取締役)
「バイオイレの仕組み・機能について」

議事の概略

6月28日14時から、第一回総会以来、毎期、定期総会に利用させてもらっている太宰府天満宮近くの「太宰府館・まほろばホール(3F)」で開催されました。司会者は、「日本山岳会北九州支部」の事務局長・山田武史さんにお願いしました。今回欠席した山上司会長からの挨拶文を運営委員の貞刈誠さんが代読した後、議長には、事務局推薦の「福岡想山会」事務局長・平田真介さんが選出され、議事に入りました。
平成25年度における活動については、太田勝運営委員長から、宝満山など山開きでのマナー袋の配布による啓発活動、「労山」との共催での清掃ハイクなどが報告されました。また、引き続き説明があった次年度の活動計画は、前年度の活動をほぼ踏襲した地味な計画となっています。宝満山では、おそらく複数の登山者により、地元有志の人達が植えたシャクナゲの枝が100本ほども折り取られ、薪にした後が見つかるなどの事件も発生しています。活動計画について運営委員会では、山でのトイレマナーだけでなく、自然環境保護全般についての啓発活動を地道に継続していく必要があると痛感しての提案であり、参加者からの拍手で了承されました。会計報告並びに次年度予算についても特に異論はなく、了承されました。
役員の改選については、太田会長から、今期をもって運営委員長を退任し、当会の規約に基づき、運営委員会としては、運営委員の貞刈誠さんを新委員長に推薦したいとの提案があり、了承されました。(貞刈誠さんは、福岡県山岳連盟所属で、現在、自然保護委員会委員長をされています)
14時44分、山田武史さんの閉会挨拶で、本日の定期総会は終了しました。

「トイレ協議会通信 第13号」より

講演内容

今回の講演者は、飯塚市に本社がある「アイテックシステム(株)」の代表取締役 吉田 和彦氏にお願いしました。
まず初めに、2005年8月にRKB毎日が放送したドキュメンタリー番組「桃とトイレと日本人」の一部がビデオで放映されました。登場人物が、当社のバイオトイレ事業と切っても切れない関係にあるからです。
日本では全く無名に等しかった福岡市出身の「島田敏雄」さんという方が、トイレや下水道事業の普及が遅れている東南アジアの中でも、特に中国で水処理、農地の土壌改良等に尽力された結果、桃、カボチャなどの農産物の品質改良にも貢献されたそうです。
平成7年からバイオトイレの研究が始まり、トイレの汚物処理に有効な好気性バクテリア、土壌細菌を活用したバイオトイレの普及に努められ、現在では500ヶ所に設置されているとのことでした。(島田さんは平成22年逝去されていますが、当社はその意志と技術を受け継ぎ、島田さんの頭文字をとったバイオトイレを製造しています。)
バイオトイレの基本的な構造は、便槽の中にバクテリアを培養したオガクズ、チッブなどをいれ、糞尿と攪拌して発酵、分解を促進させることによって、炭酸ガス、水に変化させ、無害の物にしようとするものです。電気が来ていない山岳部では、発酵させるのに必要な熱源や動力源をソーラー発電で得ているケースも多く、日光が弱く、積雪がある冬季の運用には課題もありそうです。
また、攪拌については、利用者本人による手回し式やペダルによる足こぎ式などを採用している所もあります。
2014年6月、英彦山にみ待望のバイオトイレが設置されました。電気や水がない山岳部でのバイオトイレの建設には、大変な労力を要しますが、以後の維持管理がより大変なのです。何せ繊細なバクテリアが相手ですから。
利用する登山者の方もバクテリアが食べられないもの、消化、発酵できないものは絶対使用しない、捨てない!という原則を厳守しないといけません。

「トイレ協議会通信 第13号」より